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(c) 1996 Kuwashima Takayuki

炎が風にあおられた時、私は一瞬息を飲んだ。 建物に燃え広がるのに充分な炎だった。 急に静寂に包まれた。 もう誰も火にものを投げ込む人はいなかった。 そして火は下火になっていった。 私は確信した。これは断じて暴動などではない。 もし暴動なら街は火の海になっていたであろう。